おうちでの大切なお手入れ、爪切りの仕方と重要性
2015/10/02 11:00更新
わんちゃんの爪切り、皆さんは行っていますか。今回は、わんちゃんの爪切りの重要性や爪の切り方、爪切りの種類までをまとめてみました。 活用してみてください!

どうしておうちでの爪切りが必要なの?

 爪は歩いたり走ったりして自然に削れるものなのに、どうして爪切りが必要になるのでしょう……。
わんちゃんの爪が運動により自然に削れるというのは、理想論です。
ほとんどのわんちゃんは室内飼いだったり、小型で体重が軽かったりすることで爪が伸びてしまいます。
また、お散歩によって爪が削れても、整って削れるとは限りません。
飼い主さんが月に一度はチェックしてあげることが必要ですね。
 では、爪が伸びすぎてしまうとどうなるのか! 爪の中には血管が通っており、神経も通っています。
爪が伸びるとその血管と神経まで一緒に伸びていってしまうのです。そのため切る時には出血と痛みが伴ってしまいます。
爪が伸びた状態で、フローリングやアスファルトの上を歩くと「カチカチ」音が出ます。痛みを感じているはずですよ。
しっかり歩こうとして、膝や股関節に余計な負担をかけてしまう事も考えられます。
伸びすぎた爪が湾曲していくと、肉球を傷つけてしまう事があります。
洋服などに引っかかって折れたりしたら大変です。わんちゃんは相当の痛みを負ってしまいます。
爪は地面に触れないくらいが理想。「カチカチ」が聞こえたら要注意です。

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爪切りもいろいろ、道具を準備しましょう

 わんちゃんの爪切りに必要なものは、「爪切り」「ヤスリ」「止血剤」です。
ペットショップや動物病院でお求めになれます。ホームセンターにもありますね。
ネットでもたくさん紹介されています。

・爪切りの種類
【ギロチンタイプ】輪の中に爪を入れて、持ち手を握ると爪が切れるタイプ。使いやすいのでお勧めです。
小型犬から中型犬、大型犬まで幅広く使えます。大型犬用は少し大きめに出来ています。

【ハサミタイプ】持ち手の部分がハサミの様になっているタイプ。小型犬や子犬のような細い爪を切る時にお勧めです。
大きな爪や硬い爪には向きません。

【ニッパータイプ】その名の通り「ニッパー」のような爪切りです。細かくパチパチと切って行き、そのまま形を整えることもできます。
小型犬から中型犬、大型犬まで使えますが、それなりの技術を必要とします。爪切り上級者向けですね。

image by Dollar Poto Culb,Stocksnapper,http://goo.gl/2kDcsl

 ヤスリについては、小型のわんちゃんに必要ないかもしれません。
しかし、お洋服に引っかかったり、傷つけたりする事があるかもしれません。念のために用意しておきましょう。
平らなものでも電動式でも良いですよ。人間用でも構いません。大事なことは使いやすくて、わんちゃんが嫌がらない事です。

止血剤も念のためです。気を付けていても出血してしまう事はあります。粉末の止血剤を用意しましょう。

 

 

実践! 爪切りに挑戦してみましょう

 最初に、爪がどれだけ伸びているかしっかり観察しましょう。爪の色が白色なら、血管が透けて見えます。
血管に触れないよう爪を切って行くので、ここでイメージしておきましょう。
もしじゃまな長い毛があれば、カットしておく事で楽に爪切りが出来ます。
 わんちゃんの胴体を脇に抱えるようにして、爪を切る足をしっかりとつかみます。
そして爪の根元の部分を指で押さえ、爪全体が見えるように出します。
わんちゃんにもよりますが、後ろ足から始めた方がやりやすいと思います。
爪が切れる音で怖がってしまう事があるかもしれません。
優しく声をかけながら、様子を見ながらサクサク切って行くのがコツです。
飼い主さんが怖がってしまうと、わんちゃんはもっと怖くなってしまいますよ。


血管が見えない爪のわんちゃんも多いでしょう。その場合、少しずつ切って行きます。
 その際に、爪の断面をよく観察して下さい。爪の年輪(?)が見えてきたらストップ。
血管のすぐ近くまで来ており、少し湿っているはずです。
血管は爪の中心部分を通っています。慣れてきたら、爪の中心が頂点になるような山型に切ってみましょう。
切りっぱなしよりも、ヤスリがけが楽になりますよ。
 どんなに慎重にしても、血が出てしまう事はあります。そんな時は慌てずに、止血の粉を使います。
爪の先がしっかり隠れるように素早く止血剤を付け、出血が収まるまでしっかり押さえましょう。
アッという間に止まってくれますよ。落ち着いて、優しい言葉をかけてくださいね。
 仕上げのヤスリがけは、切り口を滑らかにします。嫌がる子が多いので、気になる所だけでサッと済ませてあげましょう。


最後に忘れてはいけないのが「狼爪」です。後ろ足に親指があるワンちゃんには、地面に触れることのない爪がある事が! 
それが「狼爪」です。忘れずに切ってあげないと、どんどん伸びてしまいますよ。
危険なので病院で切除してしまうわんちゃんもいます。

image by Dollar Photo Culb,Antonio Gravante,http://goo.gl/BsxS8S

 

 

爪切りを楽にするために

 わんちゃんの爪切りの一番の妨げは、「恐怖心」です。
わんちゃんの恐怖心、飼い主さんの恐怖心、合わさってしまうともう大変です。
できる事なら子犬のうちから、足先を触られることに慣らして置くことが良いですね。
飼い主さんに安心して体をゆだねられる様な、信頼関係が出来ていれば、ほとんどのお手入れはお家で容易に出来るはずです。
優しく声をかけながら、飼い主さんは怖がらずに爪を切る事。飼い主さんの度胸も大事です。
 道具は良いものを使いましょう。ここで言う「良いもの」とは、「良く切れる爪切り」の事です。
切れ味が良い爪切りは、大きな力が必要ないですからわんちゃんへの負担も少なくて済みます。人間用の爪切りはNGです!

image by Dollar Photo Culb,135pixels,http://goo.gl/zXewHR

 

 

伸びすぎた爪は獣医さんへ

 どうしても爪切りが苦手なわんちゃんもいると思います。
強いトラウマがあったり、性格が頑固だったりすると、爪切りをしようとすると暴れてどうしようもない状態になってしまう事があるでしょう。
そんな時は無理をせずに、動物病院にお願いすることをお勧めします。獣医さんや動物看護士さんの手を借りて、一緒に爪切りするのもありです。
飼い主さんがいると甘えてしまう場合は、お任せしましょう。
 あまりにも伸びすぎてしまった爪は、切るとピューッと飛び出るほど出血するんです。わんちゃんも痛いですよね。
獣医さんに相談して、しかるべき処置をしてもらいましょう。
鍵の様に丸くなってしまって、切れないほど伸びた爪。肉球に食い込んでしまった爪。
こんな場合も無理をせずに、獣医さんに相談したほうが良いですね。

image by Dollar Photo culub,https://goo.gl/krpLPv

 

 

 わんちゃんも飼い主さんも初めは不安でドキドキするはずです。
しかし、わんちゃんの不安を取り除けるのは飼い主さんしかいませんよ。
爪切りがトラウマにならないように、まめにコミュニケーションをとりながら挑戦してみてくださいね。

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河原みれ

小さい頃から常に犬と猫が一緒に居る生活。鳥やハムスター、爬虫類や魚にも興味津々で、迷わずにペット関係の学校に進学。

動物看護士、コンパニオンドッグトレーナー、トリマーの資格を取得。

ペットショップや動物病院の勤務を経験して、今は主に動物の記事を書いています。