優れた嗅覚や運動神経以外にも、犬にはさまざまな能力が備わっています。例えば、「帰巣本能」もその一つです。読んで字のごとく「巣に帰る本能」という意味ですが、わんちゃんが自分のなわばりや住んでいる家をきちんと覚えていて、知らない場所から自力で戻ってくることをいいます。この力は生物学的な本能という位置づけで、生まれながらにしてDNAに組み込まれているのです。
海外で実例が多数あるわんちゃんの遥かなる旅
実際にインターネットなどで調べてみると、海外での事例がたくさん見つかります。驚くのは、100km以上もの長距離を一人で帰って来たというケースが少なくないことです。道中、山あり谷あり、川だって通っていたはずです。決して一本道だったわけではないですし、同じ道を歩いた経験があったとも考えにくいのに、一体どうして帰ってこれたのでしょう。動物の帰巣本能については、まだ未解明な部分が多いようですが、一説には犬の優れた嗅覚が関わっていると考えられています。飼い主さんの匂いをクンクン探して、少しでも気配のする方へ進んでいくのではないか、というのです。その他、脳の中にある「生体磁石」を使って方向を判断しているという説もあります。この生体磁石とは、コンパスのようなもので、地球の磁場をキャッチし方角をつかむ役割をしていると言われていて、人間にも備わっていることが研究で分かっています。
image by pixabay,skeeze,https://goo.gl/VycN73
それでも迷子犬がいるのはなぜ?
わんちゃんに帰巣本能が備わっているのであれば、散歩途中にいなくなった愛犬も必ず家へと帰ってきてくれるはずですが、残念ながら迷子犬はなくなりません。これには、飼育の環境が影響していると考えられています。例えば、室内で飼われているわんちゃんですと、まず外の環境に慣れていないので、その時点で怯えてしまう可能性があります。屋外に出る機会がなければ住んでいる家の外観も見ていないのですから、戻ってこようにもどの家か分からないこともあるでしょう。
また、犬種や個体によって性格などが異なるように、わんちゃんによって帰巣本能の強弱があるとも言われています。つまりは、犬には動物的本能として帰巣本能が備わっていますが、無事戻ってくるかどうかはわんちゃん次第ということです。
image by Dollar Photo Culb,naka,http://goo.gl/vrcbWO
迷子になったときのために普段からの備えが肝心
いなくなった愛犬が自力で我が家に帰ってきてくれる…。
ロマンのある話ではありますが、あまり現実的ではないかもしれません。万が一、散歩中に何かの拍子でわんちゃんが逃げてしまったら、どうやって愛犬を探しますか。最悪の事態を防ぐために、ワンちゃんの首輪に迷い札をつけることをおすすめします。飼い主さんの連絡先があるだけで、無事に再会できる可能性はグッと高くなります。愛犬を守れるのは飼い主さんだけです。ぜひ、とり入れてみてください。
image by Dollar Photo Club,pattie,http://goo.gl/ac3Nlu
北海道を拠点にライター・映像制作をしております。
HADAKA DENKYU 星野です。ミニチュアシュナウザーを2匹飼っています。
ワンちゃん動画を撮ったり、体験ライターをしたり、グルメレポーターをしたり、大自然の中でのほほーんっと暮らしています。
どうぞよろしくお願いいたします!