わんちゃんの食事の基本知識を再確認しよう!
2015/12/11 11:00更新
わんちゃんと暮らしている人ならば、食事についてはご存知でしょう。今回は再確認という意味合いを込めて、食事のタブーをお知らせします。

 愛犬を家族の大切な一員として迎えたとき、誰しもが、わんちゃんの健やかな日々と長寿を願うのではないでしょうか。ヒトとイヌ…種は違えども、同じ時の重なりを生き、喜びを分かち合う大切な存在であることに変わりはありません。 愛情は種を越えるのです。 

 かけがえのないわんちゃんのQOLの保持のために、「犬の食性」や「犬の栄養」について、知識の引き出しを持っておくことはとても大切です。正しい食生活はうちの子の健康を守るうえで大変重要なものですから。

 

 愛犬は自分で食べるものを選ぶことはできません。“Your dog is what you give.” 

 そう、あなたの愛犬は、あなたがあげたものでできているのです。

 今回は、わんちゃんにとって注意の必要な食材についてお話しします。新しく家族を迎えた方も、何年も暮らしを共にしている方も、フードメインの方も手作りごはんを実践している方も、基本事項を再確認してみてください。

 

 

食べさせてはいけないもの

by stux, https://goo.gl/0WqVaa

・チョコレート、ココア…中枢神経興奮作用のあるテオブロミンを多く含むため、食べると中毒症状が出る場合があります。

・ネギ類(たまねぎ、ネギ、ニラなど)…ネギ類に含まれているS-メチルシステインスルホキシド、N-プロビルジスルフィドが赤血球を破壊し、溶血性貧血や血尿などを引き起こす可能性があります。加熱してもこの成分は分解されません。

・生の卵白・・・ビタミンの一種であるビオチンの吸収を阻害します。

・砂糖…糖分の摂り過ぎは肥満や糖尿病の原因となり得ます。

・保存料、着色料、増粘剤などの化学添加物

・加熱していない豚・・・トキソプラズマという原虫がいる可能性があります。

・マカデミアナッツ・・・嘔吐や痙攣などの中毒症状の報告例があります。

・香辛料(コショウやわさびなど)…胃腸を刺激して下痢を引き起こす可能性があります。

・加熱した鶏の骨…さけて割れやすいため、器官を傷つける可能性があります。

・こんにゃく・・・消化できません。

・トマトのへた、ジャガイモの芽…ソラニンという毒素が含まれています。

・キシリトール・・・低血糖や痙攣などの報告例があります。

 

 

食べさせるのに注意が必要なもの

by Josch13,https://goo.gl/rdWCp7

・いか、たこ、エビなどの甲殻類・・・消化が悪いため、細かく刻む必要があります。タウリンなどの成分は体質改善に有効です。

・きのこ類・・・繊維が多く消化しづらい食材です。粉末かペースト状にしてあげる必要があります。免疫力アップ応援食材です。

・ぶどうまたはレーズン…大量にぶどうを食べた犬が腎不全を患った報告例があります。

・塩分・・・過度の摂取は腎臓を傷めてしまう可能性があります。

 

 

パピー期に注意が必要なもの

by Breville USA, "Lemon & Honey Chicken Skewers 1of4", https://flic.kr/p/ej17bU 

・はちみつ・・・人間の赤ちゃんと一緒で、まれにボツリヌス菌による食中毒の可能性があります。

 

「犬ににんにくをあげてもよいの?」というお声をよく耳にします。ネギ類と同じ成分が含まれているため不安に感じられるのかもしれません。

 しかし、にんにくには免疫力アップや強肝作用があり、多くの栄養成分も含まれているため天然の抗生物質とも呼ばれています。常食させる必要はありませんが、1週間に1~2回程度あげるのがよいでしょう。目安の適量は450gの食事に対して小さじ1/8です。

 

 

さいごに

photo by Junko Yurikago

 犬は進化生物学的に肉食寄りの雑食です。そして、ヒトに寄り添って生きてきたため、多くの食物を消化できるようになりました。しかし、身体の構造や消化酵素の違いから、上記のような食材には気を付けてあげる必要があります。

 不安に感じられる食材を、大切な愛犬に食べさせる必要はありません。上記の食材に気を付けながら、愛犬の体調を整えてくれる食材や、好物を探していくプロセスも、共に生きる喜びを分かち合う、素敵なコミュニケーションになるかもしれませんね。

 

 

※上記の食物は、すべての犬にあてはまるわけではなく、個体差により、微量で反応する場合もあれば、多少食べても平気な場合もあります。

 

(記事冒頭写真撮影者:巽潤子)

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ゆりかご主宰 潤子

一般社団法人 人と犬の日本共生学協会  潤子(代表理事)

東京大学卒業。臨床心理学、栄養学、動物行動学を学び、一般社団法人 人と犬の日本共生学協会 を設立。


幼い頃から愛すべき犬たちと暮らし、犬という生き物の素晴らしさに惹かれ続け、恋をし続け、今に至ります。

真っ直ぐな気持ちで寄り添ってくれる犬と生きる喜びを分かち合い、言葉を持たぬ彼らの心身の声に耳を傾けるための方法を、ゆりかごの活動を通してお伝えしています。

counterpartであるパピヨンのしずくと凪と暮らす日々が私の宝物です。 理念は”犬のなかに犬を見出すのが自然への敬意”