夏の養生~胃腸と皮膚のケア~
2016/07/07 11:00更新
たいせつな愛犬のために、気軽に取り入れられる漢方ライフをご紹介します。

 梅雨の季節が過ぎると、本格的な夏がやってきます。
日本に四季があるのは、自然の素晴らしい摂理ですが、犬にとっては少々過ごしづらい季節でもあります。
 今回は、気軽に実践できる「夏を快適に過ごすためのケア」を、漢方・薬膳的な観点からお伝えして参ります。
愛犬にもご自身にも、ゆるりさらりと夏の養生をとりいれてみてはいかがですか?

 

夏のポイントは「発散」

 夏を快適に過ごすための最大のポイントは「体内にこもった熱と湿気の発散」です。
 実は、犬は発散が苦手な生き物なのです。
ですが、日本は四方を海に囲まれた島国です。このような地理的条件ですから、日本の夏は人でも湿気と熱がこもりやすいのです。犬にとっては、より過酷なシーズンになるのです。
 犬にも汗腺はありますが、人よりも構造が複雑で、更には毛をまとっていますから、体内の熱と湿気を発散する主な場所は舌と肉球ということになります。
 体内にこもった湿気と熱を上手に発散できないと、消化機能が落ちてしまったり、なんとか皮膚から熱を逃そうとして皮膚トラブルを起こしてしまったりしがちです。
 上手に発散してあげられるように内と外からケアをしてあげたいものです。

Photo by: pixabay, sevenpixx, https://goo.gl/LQs8En

 

人にも犬にも共通するライフスタイルの工夫

 朝の涼しいうちにお散歩に出かけ、適度な運動をしながら、新鮮な空気を吸って心身をリセットさせてあげるのはとても有効です。
寝具類はなるべく乾燥させて、風通しのよい部屋で過ごせるようしてあげるとよいです。
 また暑い季節のお出かけは犬にとっては大きな負担です。体内のエネルギーも消耗してしまいますし、熱中症の危険性もありますので注意してあげる必要があります。

Photo by: Junko tatumi

 

夏におすすめの食材

 清熱作用と消化機能を助ける食べ物を摂り入れるのがよいです。
清熱作用とは身体の余分な熱を冷ます作用のことです。ウリ科の食材や苦み食材は清熱作用に優れているだけではなく、夏に弱りがちな胃腸の働きを助けてもくれます。
 トマトや緑豆、きゅうり、トウモロコシの髭などは穏やかに水分を補って潤いを生み出してくれます。やはり、旬の食物はパワーがあります。
そのほか、胃腸の弱い犬やシニアの犬は大葉を少量足してみると身体を冷やしすぎずにケアをしてあげることができます。

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さいごに

 毎日、愛犬の様子をよく観察して、夏の養生をゆるりさらりとマイペースで取り入れてくださいね♪
「養生」とは「生命を養うこと」です。
 夏にきちんと養生することによって免疫力が高まり、健やかに秋、そして冬を迎えることができます。
“ You are what you eat & Your dog is what you give.”
 愛犬のためだけでなく、ご自身も夏の養生を取り入れてみてくださいね。

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ゆりかご主宰 潤子

一般社団法人 人と犬の日本共生学協会  潤子(代表理事)

東京大学卒業。臨床心理学、栄養学、動物行動学を学び、一般社団法人 人と犬の日本共生学協会 を設立。


幼い頃から愛すべき犬たちと暮らし、犬という生き物の素晴らしさに惹かれ続け、恋をし続け、今に至ります。

真っ直ぐな気持ちで寄り添ってくれる犬と生きる喜びを分かち合い、言葉を持たぬ彼らの心身の声に耳を傾けるための方法を、ゆりかごの活動を通してお伝えしています。

counterpartであるパピヨンのしずくと凪と暮らす日々が私の宝物です。 理念は”犬のなかに犬を見出すのが自然への敬意”