最近、インフルエンザワクチンをはじめとしたワクチン接種の是非について色々と話題になっています。わんちゃんのワクチン接種についても、本当に接種する必要があるのかと不思議に思われている方も多いのではないでしょうか?
わんちゃんの狂犬病ワクチンは、「狂犬病予防法」という法律で年1回の接種が定められているのをご存知ですか?私たち自身を守るためにも飼い主さんの責任として知っておきたい、狂犬病およびワクチンについての正しい知識をご紹介します。
狂犬病ってどんな病気?
by Michael Henley, "Rabies", https://flic.kr/p/5TZVdb
狂犬病(Rabies)はわんちゃん達だけの病気ではありません。猫やフェレットなどのペットや、牛や馬などの家畜、そしてヒトも含めた全ての哺乳類が感染します。
狂犬病への感染は、ウィルスに感染している動物に噛まれ、唾液中に含まれるウィルスが咬傷部位から体内に侵入することでおこります。体内に入ったウィルスは神経系を上行して脳に至ります。そして自覚症状のない潜伏期を経たのち神経症状などを発症すると、治療法がないためにほぼ100%死亡します!
毎年ワクチンを接種する理由
by Adam Cohn, "Hungry Stray Dog", https://flic.kr/p/fKhjBw
実は現在も東南アジアなど日本周辺国を含む世界各地で狂犬病は発生していて、毎年5万人もの人達が亡くなっています!実際に海外旅行中に感染し、日本に帰国後発症し死亡した人の例は近年もみられています(2006年、フィリピンからの帰国者2名)。また、つい先日もアメリカのテキサス州で、ワクチン接種を受けていなかった9ヶ月の子犬が狂犬病を発症し、公園にいた人達や犬に感染の恐れがあるとニュースになりました。
海外旅行を楽しむ人が増えているなか、日本にいつ狂犬病が入ってきてもおかしくはない状況です!もし万が一日本に狂犬病が再び入ってきた際に蔓延を防ぐための1番の方法は、人間の主な感染源となるわんちゃん達が狂犬病ワクチンによりきちんと予防されていることなのです。
さいごに
by Jose Figueredo Lopez, "Hug", https://flic.kr/p/mv5zPA
日本では狂犬病予防法により、わんちゃんを飼ったら住んでいる市区町村に登録すること、そして生後90日以上のわんちゃんには年1回の狂犬病ワクチン接種が飼い主さんに義務づけられています。
「うちの子は完全室内飼いだから、ワクチンは打たなくても大丈夫!」という自己判断は絶対にダメです。大切なわんちゃんを守るために、そして日本を狂犬病のない国に保つためにも、毎年の狂犬病ワクチンをきちんと行いましょう!
(記事冒頭写真出典:by Travel and Roll, https://flic.kr/p/pNmPid)
小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。
女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。