アメリカと比べる、わんちゃんの混合ワクチン 正しい知識を知っておこう!
2015/03/20 11:00更新
毎年受けるわんちゃんの混合ワクチン。成犬になってもきちんと受けさせる必要があるからこそ、正しい知識を再確認しましょう!

わんちゃんの混合ワクチンにはたくさんの種類(2-9種)があります。
一体どんな病気が予防されているのかよく分からない、本当に受けさせる必要があるのか分からない…と悩んではいませんか?

アメリカではワクチンについてのとらえ方が日本とは少し異なっており、獣医さんと飼い主さんがよく相談してから決めるのが一般的です。
今回の記事ではわんちゃんの混合ワクチンについて、アメリカでのワクチン接種の現状とあわせてご紹介します。

by George Hawkins, "FAY Guide Dog puppy" https://www.flickr.com/photos/georgehawkins/57336161/

 

混合ワクチンってなに?

狂犬病以外の数種類の病気を1回の接種で予防するためのワクチンです。「何種混合」というのは、予防できる病気の数をあらわします。一般的に日本の動物病院では5-9種の混合ワクチンを使用しており、獣医さんによって勧めるワクチンは異なります。また特に蔓延している病気がある地域では、その病気を予防できる種類のワクチン接種が必要です。

 

混合ワクチンで予防できる病気は?

by School of Veterinary Medicine and Science University of Nottingham, "A0000P0017" https://www.flickr.com/photos/nottinghamvets/5794765130

日本の混合ワクチンで予防できる病気は、感染すると死亡してしまう病気、他の犬への感染力の強い病気、そしてヒトにも感染する恐れのある病気です。具体的には、以下の7種類が挙げられます。


①犬ジステンパー
②犬パルボウィルス感染症
③犬伝染性肝炎
④犬伝染性喉頭気管支炎
⑤犬パラインフルエンザ感染症
⑥犬コロナウィルス感染症
⑦~⑨レプトスピラ症(3型)


例えば5種混合ワクチンであれば、①-⑤の病気が予防できます。ドッグランやホテルを利用するときに、狂犬病と混合ワクチン接種の証明書を義務付けているところもあります。

 

アメリカにおけるわんちゃんのワクチン接種

一方アメリカでは犬のワクチンは、コアワクチン、ノンコアワクチンの2種類に分けられています。
コアワクチンには、狂犬病ワクチン、混合ワクチン(犬ジステンパー、犬パルボウィルス感染症、犬伝染性肝炎)が含まれます。
このうち、接種が義務化されているのは日本と同じく狂犬病ワクチンのみです。
混合ワクチンは、基本的に接種を推奨していますが、わんちゃんの体(アレルギー)や飼い主さんの経済状況などにより、飼い主さんが接種を拒否する場合も少なくはありません。

それ以外の病気(ケンネルコフ、レプトスピラ症、ライム病など)はノンコアワクチンとして考えられていて、わんちゃんの住んでいる地域やライフスタイル、またペットホテル、グルーミングなどの必要に応じて接種することが推奨されます。

by Emily Orpin, "Elfi" https://www.flickr.com/photos/ejorpin/7247560090

住んでいる国、地域によって蔓延している病気は異なります。
ワクチン接種についての正しい知識を持って、わんちゃんを病気から守りましょう!

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【獣医師】vet☆sakura

小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。

女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。