わんちゃんに不妊手術(オス犬の去勢手術およびメス犬の避妊手術)をするべきか悩まれる飼い主さんは多いようです。「赤ちゃんをいつか産ませてあげたい」「健康なわんちゃんに手術をするには抵抗がある」など様々な理由をよく耳にします。
確かに麻酔をかけて行う手術ですので心配はつきものですが、繁殖を考えていない場合は基本的に不妊手術をすすめています。
不幸なわんちゃん達を増やさないために、そしてわんちゃん自身が健康に長生きするために、不妊手術をすすめする3つの理由を紹介します。
望まない妊娠を防ぐ
by Sebastián Dario, "Nice guys", https://flic.kr/p/5x4BbE
不妊手術を行う1番の理由は、望まない妊娠を防ぐということ。日本では毎年数万匹ものわんちゃん達が遺棄され殺処分されています。環境省の統計報告によると、平成25年度には28,750頭ものわんちゃん達が殺処分されており、そのうち4,373頭は離乳もしていない幼いわんちゃん達です。
「飼えなくなってしまった」ということをなくすためにも、安易な繁殖、望まない妊娠は絶対に避けるべきです。
問題行動をなくす
by Giulio Nesi, "Fighting", https://flic.kr/p/DHkTJ
オス犬の場合、縄張り意識によるマーキング、他のオス犬との喧嘩、またはマウンティング、発情期のメス犬のにおいにつられて逃げてしまったなど様々なトラブルがみられます。
またメス犬の場合は、年に2回の発情期は、肉体的にも精神的にもワンちゃんにとってストレスとなるため、人間に噛み付いてしまったりと普段では考えられないような行動がみられることも!
不妊手術を行い、原因となる生殖ホルモンの分泌をなくすことで、これらの問題行動を解消することが可能です。
病気の予防
by Crjs452, "A Psychiatric service dog in training", http://goo.gl/NGuZ62
わんちゃん達の高齢化に伴い、生殖器関係の病気も多くみられるようになりました。高齢の未去勢のオス犬に多い病気として、前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなど、未避妊のメス犬では、乳腺腫瘍、子宮蓄膿症などが挙げられます。これらの病気はいずれも、不妊手術を行うことで予防できることが報告されています。
特に半数が悪性である乳腺腫瘍は、初回発情期を迎える前に避妊手術を行えば、未避妊の犬に比べてリスクを0.8%まで抑えることができます!
さいごに
飼い主としての責任をきちんと守るために、そして家族の一員であるわんちゃんがいつまでも元気でいてくれるよう、性的な成熟を迎える生後6ヶ月を目安に不妊手術を行うことをおすすめします。また不妊手術後は太りやすくなるともいわれるので、きちんとした食事・運動管理をしてあげてください。
(記事冒頭写真出典:Luke Ma, "Dachshund doggy, Taipei, Taiwan", https://flic.kr/p/e412gV)
小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。
女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。