by *TatianaB*, "***" https://www.flickr.com/photos/tatiana-b/12947506855/
パグやフレンチブルドッグなどは、鼻ペチャの外観や明るい性格からとても人気のある犬種ですね!
「うちの子、いつもフガフガ言ってるんです」とか、「人間みたいないびきをかいて寝るんですよ!」という飼い主さんの声をよく聞きます。
実は、彼らのようないわゆる“短頭種”は、ユニークな外観ゆえの呼吸トラブル“短頭種気道症候群”を抱えていることが非常に多いのをご存知ですか?
鼻ペチャわんちゃんと暮らす全ての飼い主さんに知っておいて欲しい、愛犬の命の危険に関わる短頭種気道症候群についてご紹介します。
by wombatarama, "Pugs on the new carpet" https://www.flickr.com/photos/wombatarama/5339581708/
どのような病気?
短頭種気道症候群とは、パグやフレンチブルドッグ、シーズー、ボストンテリアなどの鼻がペチャンコなわんちゃん達、いわゆる短頭種にみられる呼吸のトラブルです。
外鼻孔や声門の狭窄、軟口蓋の過長、喉頭や気管の虚脱、扁桃腺の腫大などの短頭種特有の解剖学的な構造異常により、呼吸を正しく行うために必要な空気の通り道が非常に狭くなっていることが原因です。
by Jamie McCaffrey, "Happy fellow" https://www.flickr.com/photos/zedzap/11536247573/
よくみられる症状
ガチョウの鳴き声のようなガーガーといびきのような音を伴う呼吸困難、運動や興奮による窒息や失神、寝ている時の窒息などが代表的な症状です。
また、体温を調節するために重要な浅い呼吸“パンティング”が上手にできないため熱中症にかかりやすく、命の危険に関わります。
by Nick Kenrich, "Time to walk off the Christmas feast" https://www.flickr.com/photos/zedzap/11536247573
治療方法
軽い症状であれば、沈静や酸素吸入などといった対症療法が行われます。
命の危険を伴う重症な場合は、外鼻孔拡張術、軟口蓋切除術などの空気の通り道の外科的な矯正が一般的に行われています。
また、子犬の頃に手術を行うことで、呼吸トラブルを長期的に予防できることが可能であるため、早期手術を推奨している獣医さんも多いようです。
さいごに
短頭種のわんちゃんにとって暑さは大敵です。暑い日の外出時には必ず水を準備し、わんちゃんのペースに合わせた運動や休憩を心がけましょう。
また、普段よりも寝ているときのいびきが大きくなった、運動をしたがらない、といったサインなども見逃さないようにし、大切なわんちゃんを守ってあげてください。
小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。
女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。