人気急上昇のBARFダイエット 上手に利用するために知っておきたいこと
2015/05/11 11:00更新
わんちゃん本来の食生活に似ていて健康に良いといわれ人気のあるBARFダイエット。上手に利用するために知っておきたいメリットおよびリスクについてご紹介します!

わんちゃん本来の食生活に似ていると人気急上昇である、生肉をメインとしたBARFダイエットをご存じですか?
オーストラリアの獣医師が「Give Your Dog a Bone」という本を発表してから、わんちゃんの生食ダイエットブームがひきおこされています。
BARFダイエットを上手に利用するために知っておきたい、生食ダイエットのメリットおよびリスクをご紹介します。

by Rob and Stephanie Levy, "Barf diet" https://www.flickr.com/photos/robandstephanielevy/367982895/

 

BARFダイエットとは?

近年人気のBARFダイエットとは、1993年にオーストラリアの獣医師Ian Billinghurstが発表したBARF理論に基づいた食事療法です。
Biologically Appropriate Raw Food(生物学的に適した生食)またはBones and Raw Food(骨と生肉)といわれる、生肉をメインに骨や内臓、野菜や果物などを混ぜ合わせた生食ダイエットです。
最近ではペットショップやオンラインで牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉などの生肉を利用した冷凍のBARFダイエットが手軽に購入できるようになったため、愛用者が増えているようです。

by Tambako The Jaguar, "Eating white wolf" https://www.flickr.com/photos/tambako/6670066023

 

BARFダイエットのメリット

BARFダイエットはわんちゃん本来の食生活に似ており、また従来のドッグフードと異なり加熱処理がされていないので、わんちゃんに必要な酵素や栄養素がたくさん含まれていると考えられています。
よくいわれるメリットとして、

①消化がよく糞の量が減る
②毛並み・つやの改善
③歯が綺麗になる
④皮膚トラブルなどアレルギー症状の改善

などがあります。

by Michelle, "A Touch of the Divine~photography by Michelle- Kids and their Dog" https://www.flickr.com/photos/atouchofthedivine/7174626482

 

BARFダイエットにひそむリスク

実は、アメリカFDAをはじめとし、獣医師の多くはBARFダイエットには賛同していません。
その理由として、BARFダイエットにひそむ大きな2つのリスクがあげられます。
まず生肉に含まれるサルモネラ菌、カンピロバクター菌、リステリア菌などの細菌によるわんちゃんおよび私たち人間への食中毒リスクがあります。特にリステリア菌は、-4℃という低温でも増殖し、感染すると脳炎や敗血症、死流産などがおきます。
次に長期間バランスの悪い生食ダイエットを与えることによる、わんちゃんへの健康被害があります。例として生肉のみのダイエットにより、食事性の甲状腺機能亢進症などが報告されています。

さいごに

BARFダイエットをわんちゃんの食生活に上手に取り組むためには、安全性の保障されている生肉を利用しバランスのとれた食事を与えることがとても大切です。
また、使用直前まで冷凍保管し、取り扱い後には手洗いの徹底、わんちゃんの食べ残しは必ず捨てるようにしましょう。

 

メイン画像 by Just Me, "RGE_4670.jpg" https://www.flickr.com/photos/stormfarm/8581826540

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【獣医師】vet☆sakura

小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。

女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。