予防は簡単、治療は大変! わんちゃんのフィラリア予防は年間を通して行いましょう
2015/05/29 11:00更新
フィラリア症は、蚊によって媒介されわんちゃんの命にかかわる病気です。きちんとした予防で感染を防ぎ、わんちゃんを守ってあげましょう!

わんちゃんの室内飼いが増えた現在、フィラリア症は過去の病気と思われがちですが、日本全体におけるフィラリア症の感染率は減少していません。
フィラリア症はゆっくりと進行するため、気がついたら手遅れ、ということも多いとても怖い病気ですが、予防はとても簡単です。
大切なわんちゃんを守るために知っておきたい、フィラリア症についてご紹介します。

by love to know dogs, http://dogs.lovetoknow.com

 

どのような病気?

わんちゃんのフィラリア症は犬糸状虫症ともよばれます。
Dirofilaria immitisという寄生虫(フィラリア、犬糸条虫)がわんちゃんに寄生し、肺や心臓などに障害を引き起こします。
命にかかわる病気です。

by tanakawho, "Mosquito" https://www.flickr.com/photos/28481088

 

キーポイントは“蚊”

フィラリアのライフサイクルには、“蚊”が重要な役割を担っています。
フィラリアに感染している犬を吸血しフィラリア幼虫を吸いこんだ蚊の体内で、フィラリア幼虫は感染能力をもちます。
そして再び蚊が犬を吸血する際、犬の体内に侵入して感染が成立します。
体内に侵入したフィラリア幼虫は、血液の流れに乗って心臓や肺の血管(肺動脈)に寄生し、ゆっくりと長さ30cm程の白いそうめん状の成虫となります。

 

by InkHong, "Sad Dog " https://www.flickr.com/photos/inkhong/3859862007/

 

どのような症状? 治療方法は?

よくみられる症状として、咳、運動を嫌がる、体重減少、呼吸困難、心不全、腹水などが挙げられます。
フィラリアはゆっくり6ヶ月程かけて成虫になるため、感染したばかりのわんちゃんは、特に症状は現れません。
そのため咳や元気がないといった症状が現れる頃には、わんちゃんの血液内には何百匹ものフィラリアが寄生している状態になっている事も多いため注意が必要です。
治療としては、外科手術または薬剤による内科的方法でフィラリア成虫の駆除を行います。
しかし、どちらも高額で、わんちゃんへの負担が大きいです。

 

 

予防方法

多くの病院では、1ヶ月に1回投薬するタイプの予防薬を使用しています。
この予防薬は、体内に侵入したフィラリア幼虫を成虫になる前に駆虫する薬です。
地域によって異なりますが、最近は地球の温暖化などに伴い一年中蚊がみられるので、基本的には年間を通しての予防をおすすめします。
また感染しているわんちゃんに予防薬を飲ませてしまうと、ショック症状を引き起す可能性があるため、予防を始める前には必ずフィラリア症に感染していないかの検査が必要です。

 

 

さいごに

フィラリア症は簡単な予防で防げる病気ですが、感染してしまうとわんちゃんの命の危険にかかわります。年間を通してフィラリア予防を行うことで、大切なわんちゃんを守ってあげてください。

 

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【獣医師】vet☆sakura

小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。

女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。