無駄吠えは存在しない

そもそもわんちゃんにとって吠えるということは、自分を表現することであり、仲間とコミュニケーションをとるための手段でもあります。わんちゃんの立場において、無駄吠えという概念は存在しません。1つ1つの吠える行為に、それぞれ意味があるのです。

無駄吠えとは、飼い主さんがわんちゃんを飼う上で、他人に迷惑をかけないマナーとして定着したものです。わんちゃんにとっては、当たり前の行為を、飼い主さんの都合で禁止するのですから、しつけが難しいのは当然と言えます。

無駄吠え

"excited labrador retriever puppy dog screaming of joy", https://goo.gl/vxBqwI

わんちゃんが吠えるのには、意味があります。大きく分けると、5つに分けることができます。

・不安、恐怖
・要求
・縄張り意識
・痛み
・コミュニケーション

中でも、無駄吠えの原因になりがちなのが、「不安、恐怖」による吠えです。「痛み」による吠えや「コミュニケーション」のための吠えなどは、本能的な部分が大きいため、無駄吠えのしつけで禁じるのは難しいと言えます。

無駄吠えの正しいしつけ方

わんちゃんが色々な生活音を耳にする中で、不意に起きる音に恐怖を感じ吠えてしまうことはよくあることです。特に玄関チャイムの音は、その後に、知らない人が訪ねてくるケースが多く「不安、恐怖」による吠えと「縄張り意識」による吠えの両方の原因が考えられます。

「不安、恐怖」のよる吠えをしつけるためには、その音に慣れさせることが肝心です。飼い主さんが一緒にいる状態で、わざと目覚まし時計の音や電話の音を立てて慣れさせることで、解消するケースがほとんどです。

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わんちゃんは玄関チャイムの音に対して、「縄張りに外敵が侵入してきた」と思い吠え続けます。ですから、玄関チャイムが鳴っても入ってきたのは敵では無いことを認識させるために、玄関チャイムが鳴った時にわんちゃんと一緒にお出迎えをするようにすれば、吠えなくなる場合があります。

このように、わんちゃんの気持ちになって考えると、吠えの対策は意外に簡単なことに気づくはずです。吠えの意味を理解し、わんちゃんの立場に立って慣れさせることで、吠えを減らすことができるのです。

無駄吠えの間違ったしつけ方

わんちゃんの吠えのしつけは、時間と手間がかかります。それは、わんちゃんにとっては当たり前の行為を禁止するためなので、当然です。しかし、一部の飼い主さんはそこまでの時間と手間を惜しんで、しばしば間違ったしつけ方をしてしまいます。それが「声帯除去手術」と「ショックカラー」です。

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「声帯除去手術」は、その名の通りわんちゃんの声帯を取ってしまい、吠えても声が出ないようにする手術です。わんちゃんは、吠えているつもりでも、声が出ないので周囲の迷惑にはなりませんが、わんちゃんの立場になると、とても残酷な行為です。

「ショックカラー」は、わんちゃんの吠え声に反応して、わんちゃんに電気ショックを与えるという首輪です。わんちゃんが吠えると、痛い電流が流れるので、わんちゃんは吠えなくなるようです。しかし、これもわんちゃんの立場になると、とても残酷な行為です。人間が、声を発する度に電流を流される姿を想像してみてください。

これらの方法を利用すると、わんちゃんからのSOSである「痛み」の吠えも聞けなくなってしまいます。それは、わんちゃんにとっても、飼い主さんにとっても不幸なことです。