うちの子は大丈夫? 留守番の問題行動の原因「分離不安症」
2015/03/11 11:00更新
わんちゃんが留守番などで飼い主と離れた時に起こす問題行動、もしかしたら「分離不安症」かもしれませんよ? ストレスから体調不良にもなりうるこの病気についてお伝えします。

「分離不安症」って何?

by Stefano Mortellaro, "hyperactive puppies" https://flic.kr/p/DPqfd

分離不安症とは、人間の乳児にもみられる現象で、親が自分から離れると、もう戻ってこないのではないかと不安を感じ、単にとなりの部屋に行っただけだとしてもパニックを起こして泣くような状態を指します。

わんちゃんの分離不安症は、飼い主がいなくなるとパニック状態になり帰って来るまで吠えたり、置いてある物を壊したりする症状として現れます。

具体的には、以下の様な症状があります。

  • 飼い主の外出を察するとまとわりつく、そわそわする、後をついてまわる
  • 飼い主の外出を察すると服に噛み付く、吠えるなど攻撃性を持つ
  • ドアやカーペットをかじるなど、破壊行動
  • ひたすら吠え続けるなど、無駄吠え
  • ストレスにより、嘔吐、食欲不振など身体的な疾患が出る
  • 脚を舐めすぎて皮膚炎になるなど、自虐行為
  • 決まった場所以外で排泄してしまう
  • 階段をのぼりおり、周囲をうろうろし続けるなど他動

これら症状が見られたら要注意です。専門家に相談してください。

 

分離不安しない子に育てるには

by theilr, "Sofa spuds" https://flic.kr/p/7a2zY8

分離不安にしない為には、まず外出前に興奮させない事です。不安がらないように声をかける事も逆効果です。

もし、やはりパニックになっているようであれば、飼い主の匂いがついたものを犬の側においてあげたり、おやつをいくつかの場所に置いて探させている間に出かけると気を紛らわせることができます。

そして帰宅後には、喜び興奮状態にある間、犬を無視してください。飼い主にとっては辛い事ですが、頑張りましょう。

このとき、帰ってきて破壊行動をしていた場合にも、決して叱らないようにしてください。犬はなんで叱られているかを理解できず、更に分離不安を悪化させる要因となります。

一般的にこれら行動療法に加え、症状の重さによってはクロミカルム等をもちいた薬物療法も併せるとなお効果的と言われています。

 

分離不安の治療は愛犬との本当の絆を作る作業

by Thermal Soldier, "A girl and her dog" http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/71/A_girl_and_her_dog.jpg

分離不安症は、わんちゃんが「飼い主さん帰ってこないんじゃないか?」と思うことで発生する症状です。

逆に言えば、離れていても必ず戻ってくる、と思わせるような信頼関係を愛犬との間で築きあげることが、なによりの治療法です。

愛犬に甘えさせ続ける依存関係から脱し、犬がある程度自立することで、よりいっそう愛犬は幸せになるはずです。

分離不安症の行動療法は、愛犬を無視するなど、愛犬家にとって難しいことも多いですが、愛犬の幸せのために、専門家と相談しながら行動不安症と真剣に向き合って治療を始めて見てはいかがでしょう。

 

参考:

クロミカルムで分離不安の犬と猫を治療する:http://das-musikalische-bilderbuch.com/

ペットクリニック・ドットコム:http://www.petjpr.com/column/news-bin/Detail.cgi?rgst=00000314&CatgM=1

MERCK MANUAL:http://merckmanual.jp/mmpej/sec19/ch266/ch266j.html

わんこのせんせい:http://wankoukiuki.blog106.fc2.com/blog-entry-316.html