注目を集めるわんちゃん達の再生医療 今後の新たな取り組みに期待!
2015/08/21 11:00更新
大切なわんちゃんへが病気になってしまったら、治療方法がないからとあきらめられませんよね。わんちゃん達の再生医療への注目が集まっています。

先日、世界初となるわんちゃん向けの再生医療薬の開発への取り組みが日本で実施されることが発表されました。
わんちゃんに再生医療?と驚かれる方も多いと思いますが、実は獣医療においても再生医療の導入は以前から行われてきています。
そこで今回は、わんちゃん達の再生医療について、代表的な適応疾患および治療法、今後について詳しくご紹介します。

by Funk Dooby, "Awwww " https://www.flickr.com/photos/funkdooby/14602713331

 

再生医療って?

本来からだには“自己を修復する機能”が備わっており、けがや病気をした際には自己修復することができます。その機能の鍵となるのが“幹細胞”とよばれる、体内の色々な臓器や器官に変化できる細胞です。
幹細胞の一例として、2012年にノーベル賞を受賞しヒト再生医療において世界中から注目を集めた、京都大学の山中伸弥教授らにより開発されたiPS細胞があげられ、ご存知の方も多いと思います。
つまり再生医療とは、この幹細胞を用いて、けがや病気によりダメージを受けた臓器や器官を元通りにする医療のことです。

by Martin Taylor, "Havanese and dachshund " https://www.flickr.com/photos/martintaylor/23130773

 

どのような病気の治療に利用されているの?

動物病院で現在行われている代表例として、ダックスフンドなどに多くみられる椎間板ヘルニアに対する再生医療があげられます。
従来の治療方法としては、痛みを緩和する対症療法や外科手術が行われてきました。しかし脊髄の損傷具合によっては、外科手術を受けても元通りに歩くことはできず車イスなどの補助が必要となり、完治することが難しいといわれています。
そこで注目されているのが、再生療法の一つである骨髄幹細胞移植療法です。わんちゃん自身の足の骨などから骨髄細胞を少量とりだし、骨髄の中にある幹細胞を培養して体内に戻し脊髄神経を再生させ、本来の歩行機能を取り戻すことを目的としています。

by Faculty of Medicine NTNU, "Illustrasjon forskning " https://www.flickr.com/photos/ntnumedicine/8073719063

 

新たな取り組み

先日、世界初となるわんちゃん向けの再生医療薬の開発・実用化のために、大手動物用医薬品会社DSファーマアニマルヘルス(大日本住友製薬子会社)と獣医療における再生医療に取り組むベンチャー企業J-ARMが、契約を結んだことが発表されました。
健康なわんちゃん達からとりだした幹細胞を利用し、椎間板ヘルニアやアトピー性皮膚炎などの治療薬を開発するとのことです。
実用化が成功すれば、従来の再生療法における幹細胞の培養の手間がなくなるだけではなく、治療を受けるわんちゃんへの負担も軽減されるため期待が高まります。

 

さいごに

まだまだ研究段階にある再生医療には、倫理面および安全性の問題や、培養した幹細胞を治療薬として販売することは現段階では法律で禁止されているなど、大きな試練も立ちふさがっています。
今後さらなる研究の積み重ねにより、大切なわんちゃん達への再生医療がより発展していくことに期待したいですね。

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vet☆sakura

小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。

女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。

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