ペットショップの店頭で、たくさんの可愛いわんちゃん達が新しい家族を待っている姿をよく見かけます。これらの可愛いわんちゃん達のが、どのような経由でペットショップで販売されているのかをご存知でしょうか?
by wsilver, "Maltese-Shihtzu puppies", https://flic.kr/p/63GjYM
彼らの多くは、ペットショップに卸すために子犬を大量に繁殖しているパピーミルから売られてきたわんちゃん達です。
愛犬家の皆さんに是非知ってもらいたい“パピーミル”について、Youtube上で話題となった1本の動画およびアメリカにおける現状とあわせてご紹介します。
パピーミルって、なに?
by Stefano Mortellaro, "hyperactive puppies", https://flic.kr/p/DPqfd
パピーミルとは、ペットショップに卸すために子犬を大量に繁殖している、いわゆる悪徳ブリーダーのことです。パピーミルは、“お金儲け”を最優先にしており、沢山の種類のわんちゃん達を限られたスペースで大量に繁殖しています。
母犬達は、狭い檻の中で子犬を産むためだけに一生を過ごします。そして繁殖能力がなくなると、保健所へ持ち込まれたり遺棄されることがほとんどです。
またパピーミルで産まれたわんちゃん達は、近親交配などによる先天的な病気を抱えている場合も多くみられます。
一本の動画が話題に
以前アメリカの保護団体National Mill Dog RescueがYoutube上に投稿した“Puppy Mill Dog - Walks On Grass For The First Time”という一本の動画が話題になりました。
by National Mill Dog Rescue, "Puppy Mill Dog - Walks On Grass For The First Time", https://youtu.be/AE_z4bQlLTM
このわんちゃんは、産まれてから12年間ずっと狭い檻の中で、子犬を産むための繁殖犬として生きてきました。保護団体によりレスキューされ、産まれて初めて芝生の上を、足元の感触を確かめるようにしながらおぼつかない様子で歩く姿は、パピーミルの悲惨な現状を人々に印象付けました。
ペット先進国アメリカにおける現状
by Pets Adviser, "Stop Puppy Mills", https://flic.kr/p/dmz1ob
アメリカ大手ペットショップ(PetsmartおよびPetco)は、自主的に犬や猫の生体販売を行う事を禁止しています。どちらのペットショップも地域のレスキュー団体と協力して、入り口の横にレスキューされた猫ちゃん達が新しい家族に出会うための場所を提供しています。
またニュースなどでパピーミルの現状が沢山取り上げられ、保護団体などによる啓蒙活動も盛んに行われています。それでも主要都市から離れた地域には、インターネット上での生体販売を主に子犬の大量生産を行う劣悪な環境のパピーミルが沢山存在しています。
さいごに
生体販売を行っているペットショップ、そしてペットショップに子犬を卸しているブリーダー全てを否定するつもりはありません。しかしパピーミルは、需要、つまり買い手がある限り無くなることはないでしょう。
これから新しくわんちゃんを家族に迎える際には、安易に購入を決めたりせず、時間をかけてゆっくり「このわんちゃんはどこから来たのか?母犬達はどのような環境で暮らしているか?」という事について考えてみてください。
(記事冒頭写真出典:wsilver, "Maltese-Shihtzu puppies", https://flic.kr/p/63GjYM)
小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。
女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。