アメリカの動物病院を訪れ一番最初の印象は、“医療費がとにかく高い!”ということ。
そのため、ワクチンの接種や適切な医療を受けることができず、安楽死させられてしまうわんちゃん達の数は後を絶ちません。
これらの問題を解決する為に、近年アメリカ大都市でも増えつつある、予防診療を主体としたローコストペットクリニックについてご紹介します。
by Aitor Aranda, "Link" https://www.flickr.com/photos/aiscube/2320802220
医療費
アメリカでわんちゃんの飼い主さん達を悩ませているのが“医療費問題”です。
Visiting feeとよばれる受診代だけでも50ドル(約5000円)以上を請求する病院もたくさん存在し、一回の受診で数百ドルの請求を受けてしまうことも多くあります。
わんちゃんは大切だけれど、医療費が高くて動物病院には連れて行かないという飼い主さんが沢山存在します。
そのため、必要なワクチン接種や予防薬、さらには適切な医療を受ける事ができずに安楽死させられてしまうわんちゃん達の数は後を絶ちません。
by www.audio-luci-store.it, "veterinary clinic,Doctor,dolittle,female, girl, health, hispanic, internet, isolated, labrador, latin, latinamerican, lifestyle, little," https://www.flickr.com/photos/audiolucistore/16255176652
ローコストペットクリニック
そのような問題を解決するローコストペットクリニックが、近年アメリカ大都市近郊にも進出してきました。
ローコストペットクリニックの多くは、グルーミングやペットホテルなどの付加サービスは伴わず、必要最低限の獣医師およびテクニシャンのみが従事しています。
これらのクリニックの最大限の特徴は、予防医療に重点をおいており、わんちゃん達が健康でいられる為に必要なワクチン接種、フィラリア予防、定期健診、避妊および去勢手術などをリーズナブルな価格で提供していることです。
アメリカ・テネシー州に本部をもつVet Valueの例
近年大都市近郊に進出する例として、アメリカ・テネシー州に本部をもつVet Valueというローコストベットクリニックがあります。
この病院は、必要なワクチン接種を受けることができず、ジステンパーなどの病気などにかかってしまい安楽死させられてしまうわんちゃん達を救うために設立されました。
受付スタッフは置かずに予約専用のダイアル回線を設置することで、獣医療の質は落とさずに経費を削減しています。
クリニックの外観および内部は、ポップな装飾でとても明るい雰囲気に統一されており、従来のローコストクリニックの暗いイメージを覆しています。
by Value Vet, http://www.valuevet.net/
さいごに
日本では特に最近、専門医療をメインにした高額な動物病院の設立などが目立っています。
しかし、アメリカだけではなく日本でも、医療費の負担によって適切なワクチン接種や医療を受けられずにいるわんちゃん達は沢山存在します。
誰もが利用できる価格で予防医療を提供するローコストペットクリニックが浸透し、不幸なわんちゃん達が減ることを期待します。
小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。
女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。