ハイブリッド犬をご存じですか? アメリカでは特に人気が高く、様々なハイブリッド犬種が作り出され、純血種のわんちゃん達に劣らない高値で売られています。
特に、動物アレルギーがあっても飼えるといわれるハイブリッド犬種のわんちゃんたちが人気を得ています。
日本でも最近注目を集めてきているハイブリッド犬について、その起源や注意点などをあわせてご紹介します。
by Roy Niswanger, "Dillon (labradoodle), Thanksgiving 2013" https://www.flickr.com/photos/motleypixel/11283573385
ハイブリッド犬とは?
ハイブリッド犬は、デザイナーズドッグともいわれ、2種の純血血統種を交配し生まれたわんちゃんを基に作られたわんちゃん達です。
元々、偶然に交配され生まれてきたわんちゃん達のうち、双方の純血血統種に特徴する優れた性質をもつわんちゃん達がいることに注目したのが起源といわれています。
そして1988年に、オーストラリア在住のブリーダーWally Conron氏が動物アレルギーをもつ人のためのサービス犬として、ラブラドールレトリバーとスタンダードプードルの交配によるラブラドゥードルを世に送り出したのをきっかけに、ハイブリッド犬への関心がさらに高まりました。
by chris jd, "Happy puppy dog " https://www.flickr.com/photos/chris_jd/6627926137
どのようなわんちゃん達がいるの?
多くのハイブリッド犬種は、基となる双方の純血血統種名を合わせて呼ばれています。
数え切れないほどのハイブリッド犬種を作り出しているアメリカで特に人気があるのはは、毛が抜けにくく動物アレルギーがあっても飼いやすいといわれる、プードルとの交配犬種です。
一例として、マルプー(×マルチーズ)、シープー(×シーズー)、コッカプー(×アメリカンコッカースパニエル)といった小型犬から、ラブラドゥードル(×ラブラドールレトリバー)、ゴールデンドゥードル(×ゴールデンレトリバー)といった大型犬まで様々なわんちゃん達がいます。
なかには、パグル(パグ×ビーグル)、バグ(パグ×ボストンテリア)といった、特徴的な外見と人懐っこい性格を引き出すために作られたわんちゃん達もいます。
by Sonja Pauen, "Czechoslovakian Wolf Dogs / Tschechoslowakischer Wolfshund" https://www.flickr.com/photos/dutch-tiger/4733174615
ハイブリッド犬の注意点
①雑種強勢
本来ならばハイブリッド犬は双方の親犬達の遺伝的に“よいところ”を強調する“雑種強勢”を目的としていますが、その雑種強勢ゆえに起きてしまう問題があります。
特にオオカミなどとのハイブリッド犬については、雑種強勢により基となる犬種よりもサイズが大きくなったり性格が凶暴になる傾向があると専門家達は警告しています。
②ハイブリッド犬≠ハーフ犬
ハイブリッド犬は、純血種のわんちゃんの交配によるF1、そしてF1同士を交配したF2をさらに2世代交配し、“毛が抜けない”などの求める性質をきちんと獲得しているといわれます。
対するハーフ犬とは、あくまでも純血種のわんちゃん同士を交配してうまれたわんちゃん達(F1)であり、ハイブリッド犬に求められる性質が全てのわんちゃんに現れているとはいえません。
日本のペットショップでみかける純血種を交配したわんちゃん達は、その多くがハーフ犬ですので、動物アレルギー対策とする場合には注意が必要です。
さいごに
純血種を守りたい人達などからのハイブリッド犬に対する批判の声は絶えず、わんちゃんの正式な血統としてはまだ認められていません。
しかし動物アレルギーがあってもわんちゃんと暮らしたい人達などにとって、ハイブリッド犬は無くてはならない存在です。
流行にのったむやみなハイブリッド犬の作成ではなく、きちんとした目的をもって正しい交配が行われることが大切です。
小さい頃からの夢であった動物のお医者さんを本業としながら、主婦・フリーランスライターとして日々奮闘中。
女王様のような高齢ハスキー、食べることが大好きなビーグル、猫2匹と一緒に暮らしています。